This is the sea This is the sea/The Waterboys
(1985)
Album
目の前に広がるは海 どことなく神聖な雰囲気さえ漂うアルバム。全曲素晴らしいが、なかでもM2「The whole of the moon」と、何と言っても最終曲M9「This is the sea」が信じがたいほどに最高。アルバム・タイトル曲はイントロのギターストロークと高ぶる感情を押さえきれずに発したようなファルセットで、もう鳥肌が立つほど。空気が一変する。僕が聴いてきた音楽の中では、少なくとも10指に入る一曲に間違いないと思っている。いやなんていうか、そんなこというのも変な話で。何故かあまり日本ではなじみの無いバンドらしいが「新世代ボブ・ディラン」と評されることもある詩人、マイク・スコットを擁するThe Waterboys。そういえば声も似てるかもしれない。僕はあんまり英語が得意じゃないのでしっかり理解しているかどうかは危ういのですが、なんといってもこのバンド、歌詞が素晴らしい。もろ80年代なサウンド・プロダクションは今となっては少しだけ耳に痛い感じがしちゃうけど、それだけで聴かないのはあまりに勿体なさすぎるような気がします。以下に「This is the sea」を拙い英語力で勝手に和訳してみた。あまりにも刺さりまくって、訳しながらキーボードを濡らしたことは誰にも秘密。

This is the sea/the waterboys

得たものは全部投げ捨てればいいさ
君はこの無意味な日々に背を向けたがってる
かつて縛られた呪縛から逃れ
いまや君は自由の身
大いなる河は流れゆく
目の前には海が広がっている

もし君が弱りはてたときや
また 長き孤独の日々に心打ちのめされ
過去の過ちから身動きがとれなくなってしまったりしたとき
かつて君の人生がどれほど素晴らしかったか
思い出してみればいいよ
あのころ君を取り巻いていた喧騒の日々
まるで1973年のよう
あそこに見えるは大いなる川
海はただ静かに広がる

いま君は問題を抱えている
痛みの中でなにを信じることもできず
頼るものも信心も失ってしまったと言う
良心に照らして記憶をかき集める
澄んだ瞳に問いかけながら思い出を繋ぎ合わせる
それでも河は流れをとめない
目の前に広がるは海

決断を迫られるたび苦悩する君のようすが僕にはわかる
頭の中で戦争が起こっている
それはいまにも君を引き裂こうとする
目に見えない何かを、なんとかしてつかまえようと
必死でもがいている
かつて君はそれが何か分かっていた
それでも河は流れをとめない
目の前に広がるは海

列車が線路をやってくる音がきこえる
急げばまだ君も間にあう
まだ君には十分時間があるんだ
チケットも乗車賃もいらない
その身ひとつで行けばいい
あそこに見えるは大いなる川
目の前に広がるは海

あの海を見ろ!

 *2009年一部加筆




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