“La Pump” She Like Electric She Like Electric/Smoosh
(2004)
Album
お遊戯会でパンクロック まず言うと、音楽の歴史に照らせば完全に「不意打ち」に属する音楽です(笑)。だって10歳クロエ(ドラムス)と12歳オウシー(キーボード・ヴォーカル)のギターレスデュオだもの!でも過去何度かあった不意打ち。彼女らはきっと生まれつきポップミュージックの何たるかを知ってしまってる類の人間です。コレが才能ってやつなんだなぁ、きっと。例によってシアトルから登場した謎の姉妹、スムーシュ。ふらふらとよたつきながらも、なんだか耳馴染みのない奇妙なメロディは不思議にポップ!ヴォーカルは12歳とは思えないほどアンニュイにオンナ。ニルヴァーナとホット・バターとスヌープ・ドッグを子守唄にして育ったに違いない、年齢不詳のガレージ・ポップをポッポコかき鳴らす。痛快。いや、一歩間違えばダニエル・ジョンストンにさえなってたかも知れないぜ。怖ぇえ。既にキャット・パワーやパール・ジャム(!)も彼女らの魅力にぞっこんらしいし、くっそ〜、悔しいくらい、いいぜ・・・。新しいことは別にしてないし、ブリテンズ・ゴット・タレントみたいな、天才少女が大人びた声を聴かせるとかってのとも違う。ただひたすらドラムス(結構ワンパターン)に合わせてキーボード(誰でもできそう)を弾き歌うだけなんだが、なんか聴いたこともない音楽が生まれてるんだな。裏がない子供ならではの悪意というか、あどけなさゆえの攻撃性というか、かるーくおむつのなかのアレ?(失礼)みたいな湿度感というか。「お遊戯会でパンクロック」みたいな出所不明の凶暴さが最高。プロデュースの功というか、ティーンのリアルを「大人が介在していない感」たっぷりにディスク上に乗っけることに成功している。何ていうか「うわぁ人生ってなんてステキなの!パパ、ママ、神様ありがとう!」みたいな、所謂キッズのポップ的な雰囲気が一切なくて(ヨコのプチムービー見てくれても分かると思うんですが)、ちゃんと怒ってる。ねぇ。そうだよな。子供だってフラストレーションたまるんだよ。そこがリアル。「いい」か「悪い」か、感じ方は別としてひとまず体験として面白いので聴いてみてください。「なんだこんなの俺もできる!」って歯軋りする奴らいっぱいいるんだろな。でも出来ないと思う。コロンブスの卵。お受験だ学歴だってキリキリいってる若いパパやママ。こういう子供に育てた方が、絶対魅力的ですよ。音自体はやっちゃったモン勝ち。僕は素直に負けを認めます。うん、俺コレがやりたかったんだけど20年遅れたよ。残念。基本的に、出来上がってる音楽を好む向きには一切オススメいたしません。(2005年4月)  *2009年一部加筆




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