耳鳴り 耳鳴り/チャットモンチー
(2006)
Album
チャットモンチーが、やってやった! 2005年衝撃のデビューミニアルバム「Chatmonchy Has Come」で登場以来、全国の耳利きロックリスナー(笑)の間ではもう話題騒然、徳島産女子三人組ロックバンド、チャットモンチーのいしわたり淳治(元スーパーカー)サウンドプロデュースによる1stフルアルバム。アルバム冒頭「東京ハチミツオーケストラ」、出音一発目のストロークからもう完璧!ギターの音色、リズム、歌詞、そして声どれをとっても、早くも完全に別次元のキャラ立ちっぷり。どうにも冴えない凡百の男子バンド達を尻目に…女の子バンドならではともいえるこの吹っ切れ感で一気にロック最前線に登場です。最高。チャットモンチーといえばこのくるくるねじれながらあっちゃこっちゃにぶつかりまくる超オリジナルなメロディ(笑)がやはり個性だし最高なんだけど、このアルバムを聴くとさらにリズムアレンジの面白さに気づかされる。手数の多いドラムスがアクセントになっている曲が多く、それが元来良いメロディと歌詞をいっそうひきたてている。全曲を作曲するソングライター橋本絵莉子(Vo. G.)の才能は勿論、これはバンドとしてのポテンシャルの高さの証明なんだろう。ライブ観てみたい。歌詞。一見何でもない日常をただ切り取っただけに見える他の二人が書く歌詞も、なんだか要所要所でいいフレーズが刺さってくる。さらに、歌詞の盛り上がるところでちゃんとメロディ/リズムがシンクロしている。聞けば、二人が書いた歌詞にメロディをあてていく作り方をすることが多いそうだ。なるほど。あの勿論「Aメロ・Bメロ」と「サビ」とかいうことではなくて。感情の動きに合わせて曲展開が作られているってことです。でもこれ実は才能で、無意識にできちゃう人以外にはできそうでできないこと。興味深いのが、このアルバムにはなんらかの「別離」、「さよなら」をテーマにした歌が多いということ。それは恋愛関係についてだけでなく、過去の自分や故郷との別れといったものも含めて。結構ネガティブに響きがちな詞も多い。しかし、この軽やかなリズムと橋本の声によって重たくなりすぎず、かといって嘘くさくもない絶妙なリアリティを伴ってそれを鳴らすことに成功している。(それがほとんどのバンドできねぇんだ!)聴き終わった後のなんだかむずむずするような寂しい感じ(笑)はクセになります。ノスタルジックな感情は音楽になりやすいけど、ちゃんとした作品として高められる能力を彼女らは持っている。というわけでチャットモンチー、はっきりいって相当おすすめです。超好き。長々と書きましたが要はそれだけ。 (2006年7月) *2009年一部加筆




前へ 次へ 一覧へ