“Regrets”
めずらしい人生/KAN
(1992)
Album
「愛は勝つ」も入っています。
例の一曲で予想外のミラクル・ブレイクを果たしてしまったがゆえに、一発屋というありがたくない肩書きを背負い込み現在に至るまでついぞ正当な評価を受けていない不遇のロックンロール・ピアノマン日本代表、それがKAN。まだやってるよ!大好きなんだよなぁ、これ以外ほとんど聴いたことないけど・・・っておい(笑)。いやつまり、それがこのアルバムがいかに素晴らしいかをそのまま物語っているのだと思う。再録・書き下ろしを含む彼自身初のベスト盤(違ってたらごめんなさい)。アルバムとしての完成度を優先したと思われる、「あとアレが入ってたら・・・」的な微妙な欲求不満ぐあいがまたイイんだな。はっきり言って、あなたが日本人なら個人的にはビリー・ジョエルよりもこっちをオススメしたい。いやもちろんビリーさんもいいんだけど(※当然ながら、KAN自身もっとも敬愛するアーティストの一人に挙げている)、日本にはKANがいる。だのになぜビリー・ジョエルを先に手に取るのか。賛美歌とクラシックをルーツに持ち、例の4人組とジョエルさんとイタリアと巨人軍とスティービー・ワンダーと豚骨らーめんに激烈な愛情を注ぐ疲れた四十路男(※このアルバム発売当時は30歳)の奏でるロマンティックでソウルと音楽的含蓄に満ちた極上のポップソングスをなぜスルーし続けるのか、っつうことである。初恋も経験し、ちょっと知った気になってた中2の頃テープがすりきれるまで聴きくるったアルバム。自身の半生を歌ったアルバムタイトルトラックM1がとにかくGOOD。引用しないけどリリックもメロディも全てがパーフェクト。そうそう、大人になった今聴くと、当時は良く分かってなかった歌詞の深さにグッときたり。田辺マモルやオザケン、松本隆にも匹敵するストーリーテラーぶり・・・ってちょっと言い過ぎ?そんなことはない。M9「Regrets」(グレイト!)、M13「永遠」なんて、今聴いてもボロ泣きだぜ。(2009年8月)

前へ 次へ 一覧へ