金字塔/中村一義
(1997)
Album
んで、どう?どうよ?どうなのよ俺?
初めて聴いたのは大学のころ。時は1997年年末…マニアックなものばっかり置いてあって廃業寸前(その後すぐつぶれた:笑)のレンタルビデオ屋でジャケットに惹かれ、借りて聴いた。当時遅ればせながらニルヴァーナの尻尾を踏んづけ、絶望/無気力のどん底をサンショウウオのように這い回っていた僕はとんでもない衝撃を受けた。「どう?/僕として僕は行く。」(”犬と猫”) 「うっわぁ、同じところ通ってきてこれだけ違う思いを巡らせている奴もいるのか」一聴して、アコギを抱えてすっとんきょうな高い声で歌うシンガー。よく聴けばドラムは人力ブレイクビーツ。メロディはブライアン・ウィルソンか荒井由実かといわんばかりの輝きを放つ。音程は時に外れ、テンポもゆらぎまくり。でもばっちり音楽。何といっても凄いのは歌詞。(特にこのころは)冴えまくってる。「闇」をしっかりとみすえたうえで「陽」に向かうその立ち位置、に衝撃を受けた。「これは違う!何だこれ」と思ったわけで…。私事ですが当時僕は大学内に友達が一人もおらず(笑:本当。てゆうかいまだに自分でも原因がよくわからない)…まぁ講義には毎日行ってたんで引きこもりではないけど、いわゆる一般的な大学生のエンジョイプレイ!な毎日とはほど遠い日々を何故か余儀なくされていた(ま、いろいろな事情はあったにせよ、その後卒業まで…)。毎日朝イチで学校へ行き、誰とも喋ることもなく夕方に帰り夜中まで部屋で爆音で音楽を聴く日々。毎日がただひたすらその繰返し。全く不思議な4年間。懲役4年とほぼ同じだった。そんな時だったもんだから、出会った中村一義は本当に衝撃的だった。孤独を感じている人間に音楽が与える影響というのは本当に凄まじいんだと客観的に理解した。あの甲高い変な声!そして変で超ポップなメロディ!しかもニルヴァーナ卒業生グランジ世代!(驚!)当時宅録を始めてた俺も流石にドラムキットまで購入するには至らず、余裕でブレイクビーツ叩きまくりなナカカズドラムにはちょっと妬み混じりのあこがれを抱いたり抱かなかったり…「ドラム叩きてぇ!」的な嫉妬でしばらく悶々とした後ちょっと叩いてみたりもした。ビートルズの例の2人すら想起させる(曲はあんま似てないよ)天性の楽曲群とオリジナリティあふれる歌声!Rockin' Onでも「10年に一人の才能」と大絶賛。(読者じゃなかったんで詳しくありませんが)個人的にも死ぬとき棺おけに入れたい大傑作アルバムだと思っています。まぁ聴いてみてくれよ。中古屋でも2300円くらいで売ってるから。何かの折に今でもひっぱり出すアルバムです。うーん。「どこにいる〜ここにいる」の流れはいまだにちょっと涙が出る。「ああ、何であの時ああしなかったんだろう」とかさ、思っちゃいけないんだろうけどさ…うじうじ。(2005年10月)
*2009年一部加筆

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