愛 am BEST/大塚愛
(2007)
Album
異常天才・大塚愛
大塚愛初のベストらしい。まぁ、もちろん僕の趣味嗜好からしてラジオやなんかで耳にする以外では積極的に聴いたことがなかったんだけど、それでもメロディくらいほぼ全曲ハミングできるてのは恐ろしいことだ。現在の、所謂「チャート曲」の氾濫具合がどの程度のものなのか。我が身をもってずっぽりと思い知らされるある意味とてつもなくヘビーな一枚。しかしこの度、ある事情から本作をひたすら聴き倒す機会があり…するとなんだかこれが悔しいけど、いいんだわ!(笑)ああそうさ!いいさ!!待って詳しく書くから。いや、もう先ずは宣言しよう。大塚愛は天才だ!ここに「大塚愛天才説」をブチあげる!…「は」って?気が狂ったわけじゃないよ。はは。馬鹿になったか。いやそういう矮小な次元の話はもういい。曲凄い。ってかズルい。もうまるで時代と空間と有料と無料の狭間をすり抜けてダウンロードしまくったかのようなJ-POPにおける「鉄板」ネタの数々、多様なエッセンス(どころの騒ぎじゃない。「まんま」)がイントロからアウトロまで魑魅魍魎の如くうごめく楽曲が、これまたディスクの端から端までずらり13曲はみ出さんばかりにむっちりこってりと詰まっている、まさに濃厚凝縮BEST盤。一見さくらんぼの形をした(でも)よく見ると異形の肉塊が、表向きポップ大全開!な笑顔(注:PV「Happy Days」参照)でタンバリン連打!踊り騒ぎ唄いながらこっちへ向かってくる!ヒャアアアアア!…そうだ、恐怖か!俺が感じているのは!!(失笑)極論すると、僕が他のレビューでも近年提唱してきた「音楽・総アンドリューW.K.化」説を図らずも時系列で裏付けてくれてしまった一枚。 うん、多分そういうことなのだと思う(※全く意味不明)。真面目に拾ってみると、この人6/4拍子の使い方がうまい。「甘えんぼ」(凄!)、「大好きだよ。」とか。俺の大好きなドラマチックなリズム。余談だがたまに一人「6/4ナイト」みたいのやる。(注:夜更けに6/4拍子の曲ばかりをひたすら大音量で聴き、感極まるという行為)「甘えんぼ」(凄!)は次回のそれに一曲追加。ちゃんと聴いてみてください。もう一点は、歌詞の”乗ってなさ”、これはさらに凄い!しょっちゅう聴く人は違和感なんか既にないんでしょうが、ほぼ初めてちゃんと聴いた僕はある意味、全身に衝撃が走りました。まぁ90年代後半以降、主に英語と比べ「メロに乗らない」と言われ続けてきた「日本語」が実はそんなの単なるアーティストの才能と努力の欠如による認識不足に過ぎなかったことが判明して以来(無論、気づいてる人達はずっと居ましたが)、数々のアーティストの努力により今や「日本語」はいっぱしのオンガク言語として認知されつつある昨今。そこへきてこの「乗ってなさ」と「乗ってなさ過ぎて逆にイイ感じになっちゃってる感」+「それで押し切っちゃう感」は純粋にすごいです。ノリも大切ですが、やっぱ創り手が「こうだ!」と思ったら、たとえそれがどんなに譜割おかしくても歌い難くても「こう」でないと。それがオンガクなんだ!と僕がこのアルバムを聴くたび、何故か一番感動すら覚えるのは実はそのことについてだったりもするわけです。たぶん、大塚愛さんはものすごくアーティスティックな人なんだと思う。(2007年4月)
*2009年一部加筆

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