Elements Beyond Elements Beyond/Osunlade
(2007)
Album
音の隙間を聴く力 「オシュンラデ」または「オスンラデ」と読むようです。ニューヨーク在住のテクノ/ハウス・クリエーター。鼻の串ピアス(?)が特徴的。まぁ昔からこういう音を作っている人はいるわけで、例のエレクトロニカ/テック・ハウスの嵐がやってくるその前も過ぎ去ったあとも特に変わらずやってるだけなんでしょうが。今作はトルコへの旅からインスピレーションを得、全インストゥルメンタルを自身がこなしたという作品。現在各方面で話題騒然のエレクトロニカ・ジャム・バンドLotusとDivine Essenceが数曲に参加している。生音がふんだんに配され、土着的な荒々しさと滑らかさを兼ね備えたソフィスティケイトされた音作りがここちよい。M1「Cloudy Mist」で繰り返される民族的な雄叫びと、この柔らかなシンセリフはどうだ!アフリカン、トライバルな音はサバンナの夕涼みもしくはバリの夜風(行ったことねぇけどな)を感じさせる。アジアン簾のこすれる音。突如降り出すスコールに沸く子供達。風に混じって聞こえてくる、動物とも人間とも聞き分けのつかない不穏なざわめき・・・ 所謂「ロック」がプラスの美学に基づくものだとするならば、「ハウス」はまさにその対極に位置する音楽なんではないだろうか。予め仕込まれたビートとカットされ散りばめられたノイズその両方(または他幾分かの素材)がクリックで順序よく鳴らされては引っ込む。素材の分量・材質の違いのみで紡ぎだされるイマジネーション豊かなトラックの数々を聴くたび、聴き手は己のイメージする力を育むことの大切さに気づかされる、そう感じずにはいられない。21世紀もはや10年弱、余計なものをそぎ落とす方向に向かうものはううん、やはり、美しい。(2007年9月) *2009年一部加筆




前へ 次へ 一覧へ