“Butterflies and Hurricanes”
Absolution/Muse
(2003)
Album
絶叫のハリケーンが闇を裂く
近頃僕が聴いた中では最高に壮絶な、カオス渦巻く狂気のアルバム。(爆笑)寝る前や寝起きにはおすすめしません。断言します。好き嫌い関係なくコレを体験しないのはいずれにしても損。この“切羽詰まった感”は他のアーティストではなかなかお目にかかれません。本国イギリスやアメリカではゴシックなマリリン・マンソン、エヴァネッセンス等のファン層から熱狂的な支持を受けているらしいが、デビューアルバム「Showbiz」の頃の印象は、ゴスというより「the Bends」の頃のRadiohead そのままだった。まずギター・ヴォーカルのマシュー・ベラミーの声が笑っちゃうくらいトム・ヨークそっくり。(シャウトのとき喉詰めて歌う感じなんて、まんま!) のみならずギターはジョニー・グリーンウッドそっくり!(めちゃ上手いらしい) クラシカルな様式美を備えた、情感あふれるメロディライン。その辺がゴス系の方々からも支持される理由なんだろな。で、とりあえずセカンドは飛ばして(※こちらも名盤です)この3rdアルバムはというと…間違いなく最高傑作!であると同時に楽曲の暴風域も過去最大。(笑)「You」("Pablo Honey"/ Radiohead(’93)収録)のサビで絶叫するところ、あの部分だけでアルバム一枚できてるって考えてみて。笑っちゃうでしょ?いやいや。M10「Butterflies and Hurricanes」で遥かモルドールの彼方まで吹き飛ばされちゃって下さい。メタリックな馬鹿テクギターに耽美系の絶叫ヴォーカル。そこに加わる流麗なピアノ、シンセサイザー、さらにはオーケストラまでが登場する壮大なサウンドスケープ。さらに教会の鐘やゴスペル風コーラス・・・全てのパラメータで255をぶっちぎるほどに詰め込まれた要素。まるでラスボス戦のBGMみたいな壮絶さ。CDプレイヤーがギシギシ軋むほどの轟音を上げながらも、あくまで破錠はない。きっと彼(マシュー)は人の何倍も繊細で感受性がゆたかな人間なんだろうな。そしてそれをコントロールする術をも知っている。(話はちょっとずれるけど、この「エモーションをコントロールできる度合い」みたいなのって、メタル/ハードロックとグランジそれ以降、もしくはそれらのどの地点を参照してるバンドなのかを見分けるためのわりと分かりやすい基準だったりするんじゃないかと思っている) 彼が感じる悲しみや痛みの叫びが響くなか(ただし何に対してなのかはぶっ飛びすぎて筆者にはいまいちよく分からなかったりもするがそんなことはもはや関係ない)、自然と伝染してくる張り裂けんばかりの激情が炸裂しまくり!な美しいオルタナティブ・へヴィメタル・アルバムだと思います。繰り返す!既に彼らはレディオヘッド・フォロワーでは、ない!ある意味でレディオヘッドすら行けてない地点にまで到達している・・・(笑)ん、いや・・・。あと余談ですがコレ聴きながらウイニングイレブンやると勝てる。(2003年) *2009年一部加筆

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